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スポットライト!ニュースの焦点を探る


by 取締役社長 吉田 悌
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新STEP50制定へ!

  ―― 企業誘致のための起爆剤となるか

     さがみ縦貫道路(圏央道)開通見込み
       I・C周辺に産業集積のための区画整理を実施中


  内陸部や国道16号線沿線を製造業エリアとした財政基盤をつくり、その後、小田急線やJR横浜線沿線を都心へのベットタウンとして発展を遂げてきた相模原市はバブル崩壊直後、多くの町工場の閉鎖という事態に直面した。
  
  継続的な法人税収入が堅固な財政基盤を構築することから平成17年10月、工業系の産業が進出しやすい用地を確保し進出企業に数々の奨励措置を講じることで雇用の創出を図ろうと、22年3月末までの時限条例「産業集積促進条例(Sagamihara Tomorrow Expansion Project)」、いわゆるSTEP50を制定した。土地や家屋、償却資産への投資額の10%を奨励金として支給する他、固定資産税や都市計画税を操業開始後5年間、二分の一に軽減、また、市内在住一年以上の方6名以上を一年間雇用した場合、30名までは一人につき30万円、31名から70名までの場合は一人につき60万円を助成するというもの。
  
  平成21年11月13日までに認定を受けた企業は85社。総企業が投じた資金は概算で1226億8000万円。相模原市が拠出した奨励金や交付金の合計額は平成20年度末までで17億4000万円、法人税収入は6億5000万円となっている。
  
  期限付きの現行STEP50だが、昨年秋以降の急激な景気の悪化を受け、製造業全般で設備投資の先送りや雇用調整などが深刻さを増すなど、再び、厳しい状況を強いられている。
  
  このような状況を受け相模原市は平成22年4月1日から27年3月1日までの間、「産業集積促進条例を改正する条例」を実施するために、現在、条例の策定とあわせさがみ縦貫道路インターチェンジ周辺を軸に土地区画整理事業を進めている。
  
  新しい「促進条例」の対象となる都市計画区域は、現行の「工業専用地域」「工業地域」「準工業地域の内、工業用として使用されている土地が0.5ha以上連なっている地区」「特別工業地域」「市長が企業立地等の促進を必要と認める地域」に、田名の清水原工業団地を新たに「工業系地区計画地域」と定めこれに加え、また、「市長が必要と認める地域」を川尻・大島地区(城山町との境)や津久井の金原工業団地、麻溝・新磯地区、当麻地区など新都市計画マスタープランで掲げる「産業を中心とした新たな都市づくりの拠点」の内、「市長が定める地域」とした。

  新たに企業が進出する場合、奨励金支給の対象となる都市計画区域を「産業を中心とした拠点」に限定し、土地や家屋、償却資産(中小企業のみ)への最低投資額を大企業の場合は現行の3億円から10億円まで引き上げ、中小企業の場合は現行と同様の1億円に据え置いた。支給額は土地のみに対する投資額の10%で上限が10億円。土地と家屋に対する固定資産税と都市計画税が二分の一に五年間減免される措置はすべての都市計画区域に進出した場合に適用される。

  市内で30年以上操業を続ける企業が「産業を中心とした拠点」に進出する場合には、土地と家屋への投資額を支給対象とする他、既存の都市計画区域である「工業専用地域」や「工業地域」、「0.5ha以上の準工業地域」、「特別工業地域」などに新たに事業所を設置する場合にも家屋に対する奨励金を投資額の10%、3億円を限度に支給する他、そのままの場所で増改築を行った場合だけでも家屋に対する固定資産税と都市計画税を5年間、二分の一に軽減する。
   
  「工業系地区計画地域」である田名の清原工業団地内の企業が「産業を中心とした拠点」に進出する場合は土地のみに対する奨励金が支給され、そのまま域内で、新たに家屋に対する投資を行った場合は3億円を限度に支給する。
  
  また、新しい取り組みとして「既存事業所活用事業」を開始する。すでに建築されている工場を土地とともに取得し操業する場合に土地に対する固定資産税、都市計画税を5年間、二分の一に軽減するもので、工業集積地域の空洞化を阻止する試みだ。
  
  雇用に関しては大企業の場合は6名以上ということは変わらないが、中小企業の場合は1名から助成の対象となる。また、現行、適用を一年以上の市内在住者としているが、新STEP50では申請時点で市内在住なら可とする。100人を上限として、一人当たりの額を30万円としている。ただし、一年以上継続雇用した後の助成金の交付となっている。
by sagamitimes | 2010-01-14 17:54 | 経済